自分の内側世界は少しずつ押し広げてきたつもり

押さない。ひかない。ひたすら温め続ける濡れていることに気付かない、恋の雨隠れたい体と 見つかりたい心Ear to Hear (聞く耳)DO NOT DISTRUB

待つよ (過去にしがみつく自分自身を待つよ)低空飛行でも前へ手をのばしたところに落ちてくる希望満ちて、欠けて、ゆさぶられる体と心壁に僕の声を聞いてくれる耳あれ






ひとかけらの詩

私は現実のものと自分の絵や詩を組み合わせて作品を作るのが好きです。道端の草花をつんで自分の絵にコラージュして作品を作ったり、自分で撮影したポラロイド写真の上に私の絵と詩を書き込んだり、最近では乾物を使ってコンセプチュアルな立体作品などを制作してきました。今年は日本にすこし長く滞在することになったことで備前陶片と出会い、このおもしろい素材と自分の表現をかけあわせて作品を制作してみようと思いました。そうして生まれたのが”ひとかけらの詩(ウタ)シリーズです。
まずは陶片の角をヤスリでやすって角のとがりを取っていきます。そうやってビゼンカケラの形や表面の様子、色、模様、その厚み、カーブの具合などを体と心になじませていきます。この作業は作品をイメージするためにもとてもたいせつな工程です。少し丸くなって安全になったカケラを手にとって360度ゆっくりじっくり眺めて耳を澄ませ、対話してみます。カケラは無口で固いのでその心を開くには時間が必要です。
私の作品は日常の中にある、隅っこの方でキラリと輝く想いを絵と文章で描いているのですが、今回は表情豊かなカケラに導かれながら、表面の凹凸を利用してみたり、時にはとても立体的に表現してみたり、カケラの輪郭線に注目してみたりしました。備前特有の濃い色を下地にしてやわらかく輝く主人公を描くのも新鮮でした。